ダンプカーに飛び込んで自殺を計り、運ばれて来た男性がいた。



彼は大腿骨を複雑骨折していて重体だった。



手術は困難を極めたが何とか成功し、一命を取り留めた。



リハビリをしながら入院生活を送り、足は順調に回復していった。



松葉杖を突いて歩ける様になった頃、彼は何をしたと思う?




自分の足で病院の階段を一段づつ登って屋上へ行き、そこから飛び降りた…。



私が治した足で死への階段を登ったんだ。



私は必死に頑張っているリハビリ姿を見ていて“もぅ大丈夫”と勝手に思ってしまったんだ。



彼の外面しか見ずに内面までは見ようとしなかった。



外面の傷を治して一時的に命は救えても心に深く突き刺さったナイフまでは取り除くコトができなかった…。