時間は深夜2時半…。



ミリとチカは自分達の部屋に戻り、眠りについた。



酔いと疲れでマサキも深い眠りについている。   



ただ、ケンは未だ眠れずにいた。



さっきから窓際にあるソファーに座り、タバコに火を付けては消すの繰り返し。



いつもなら、この時間は仕事の真っ最中だ。



慣れは怖い。



最近では酒の力を借りても眠れなくなっている。



仕事をするか眠るかしていないと頭に浮かんでくるのは“過去の記憶”…。




そんな気持ちを抱えたまま、ケンは夜風に当たろうと旅館の目の前に広がる“海”へ向かった。



まるで、自分のしてしまった事実を呼び起こし、憎い自分に釘を打つかの様に…。