辺りは真っ暗でうるさい雑音もない。



静かな空間が包み込む。



ミリとマサキを2人きりにさせてあげる為、チカとケンは夜の川辺へと散歩に出掛けた。




電灯でもネオンでもない月明かりだけが2人を照らす。




『ねぇ…。ケンの夢って何?』


「夢?」



2人は歩幅を合わせ、ゆっくり歩く。



「アイコの目をメイクした時に思ったコトがあったんだ。」



チカの目を見つめながらケンが続けた。




「日本には未だないけど、いつか医療メイクの店を出したいって…。無料で医療メイクを受けられる様な、そんな店にしたい。」



だから、あんなに貯金してるんだ。