「ホントにありがとう…。」



ケンの柔らかい唇がおでこに触れた。



暗闇のおかげで隠せているけれど、きっと電気を付けたら私の顔は真っ赤だ。




少し顔を上げると目が暗闇に慣れてきたせいか、ぼんやりと見えるケンの顔…。



貴方は笑っているの?



それとも泣いているのかな?



ぼんやりとしか見えない暗闇の空間で2人は見つめ合う。



体は正直…。



暗闇で表情や顔色は隠せても痛いくらいに胸打つ鼓動までは隠せない。



するとケンはゆっくりとチカの体を抱き寄せ、そっと2人の唇が重なった。



これが初めてのキスだった。




2人は時間を忘れるくらいに何度も唇を重ね、眠りについた。