家へ帰るとケンはクローゼットを開き、必死に何かを探していた。



そして、見つけ出した古いアルバム…。



そこに居たのは、まだ元気な頃のおばぁちゃんと幼いケンだった…。



背景には井ノ頭公園の満開な桜の木々が映っていて、満面の笑みを浮かべるおばぁちゃんと少し不機嫌そうなケン…。




「ガキの頃…。カメラ向けられるといつも不機嫌そうな顔しちまうんだよな。」



ケンの瞳から零れ落ちた1粒の雫がアルバムを濡らす。



それに気付いたチカは、すぐ視線を反らした。




この写真を眺める貴方が想うコト…。



やっぱり悲しいのかな?



ただ、懐かしいのかな?



それとも嬉しいのかな?



私には分からないけど、少なくとも分かってあげたい…。