公園へ入ると春風に乗せられた桜の花びらが舞っていた。



桜が散っていく姿を見るのは少し切ない気分になる。



それは2人に繋がりを与えてくれた春が終わりを告げている様で尚更、切ないのかもしれない。




『桜って咲いても、すぐに散っちゃうから寂しいね…。』



チカは舞い上がる桜の花びらを見上げた。




「だからこそ美しい。そして、また1年後に咲くのを待ち焦がれる。」


『そっか…。』



ケンは公園の入り口にある自動販売機の前に立つ。



「永遠に在り続けるコトだけが“美”ではないんだ。」



そぅ言って振り返り、チカにミルクティーを差し出した。




『ありがとう!』