葬儀の間、ずっと涙を堪えている様に見えた。




ケンの実家へ2人で戻り、耳が痛い程に静まり返った部屋に立つ。



誰も居ないという現実を改めて思い知らされる。



ゆっくりと畳に座ったケンは、ずっと耐えていた“何か”から解放された様に涙を静かに流した。




人は涙なしでは生きていけない生き物だから、私の前では弱さを隠さずに好きなだけ泣いていいんだよ…。



時には何かに耐えて笑うより何もかもを忘れて泣く時も必要なんだから…。




貴方が流した涙…。



その涙は、いつか誰かを守る強さへと変わる。