車に戻ったがケンの姿はなく、車内でケンを待つコトにした。



「でも、ケン君って無口ですよねぇ。タバコばっかり吸ってて、無表情だし…。」



ミリは口を尖らせた。



「アイツは友達を作るのが下手なんだ。表情を見せるのは昔から俺だけ…。」


「そぅなんですか…。」


「俺もアイツには苦労したよ。」



2人はマサキの目をジーッと見つめ、次の言葉を待っている。



「あの頃のアイツは表情を失っていた…。喜びもなければ、悲しみもない。休み時間も席に座り、窓の外ばかり見つめていた…。ずっと1人で…。」