『いらっしゃいま…。』




ケン君…。



どうして店に…?




「今日、マサキにカット頼んでたんだけど…。」


『そっ…、そぅなんですか…。それでは上着を預かります。』




お互い、妙によそよそしくなってしまう。




『おばぁちゃんは大丈夫ですか?』


「あぁ…。しばらく入院するコトになったけど…。」


『そぅですか…。今、マサキさん呼んできます。』




他のお客様を施術しているマサキの元へ駆け寄り、耳打ちをする。



「失礼致します…。ケン君が来ました。」


「先にシャンプーしといて!」



2人の近況など知るはずもないマサキはアッサリと言い放つ。




『はい…。』




こういう時に頼れるのは1人しかいない。