恐らく、当時のマサキにとって俺という人間は最も苦手なタイプであっただろう。



それでも話し掛け続けてくれたコト…。



どんなにシカトをしても諦めず、俺の凍った心を溶かし続けてくれたコト…。



“ありがとう”



そんな言葉だけでは、とても足りない。




あの時、マサキと出会っていなければ、今の自分は居なかったかもしれない。






あれから11年…。






一度は温められ、溶けたケンの心…。





その長い年月という白い息によって、少しづつ冷やされていった…。






そして、再び凍り付いてしまったのかもしれない…。






あの“出来事”によって…。           





もぅ二度と溶けるコトのない氷の心…。