ナースコールを押した後もずっとおばぁちゃんの手を力強く握り“大丈夫か?”同じコトを何度も繰り返し聞き続けた。




いつもは寂しいだけの背中も今日は温かく見える。




「もぅ安定していますが、2・3日は入院して様子を見ていきましょう。親族の方、今日のところは帰られて結構ですよ。」



先生の言葉で強張っていたケンの表情も少しづつ緩んでいく。




「ばぁちゃん…。また明日来るから…。」



寂しげな言い方をしたケンに優しく頷くおばぁちゃん…。



心配な気持ちを押し殺して3人は病室を後にした。