「ファースト レディ!」



突然、変な奴が目の前に現れ、教室の入口を手で差した。




同じクラスのマサキだ。




『はっ?』



一瞬、立ち止まって考えてみた。



だが、言ってる意味が理解できない。



「だから、ファースト レディーって言ったんだよ!外国では男が女をエスコートするだろ!先に教室へどうぞってコト!これ常識だよ?」




思わず笑ってしまった。



『それ本気?冗談?』


「何が?」


『それを言うなら、レディー ファーストじゃねぇの?』



マサキは顔を真っ赤にしながら下を向いた。