【旅行の出発当日】



集合場所に着くとマサキの他に2人の女の子が居た。



「ケン!こっち〜!」 


マサキが無邪気に叫ぶ。



「こいつが中学からのダチ…。ケン!」



マサキは笑顔で2人にケンを紹介した。



「はじめまして!マサキさんと同じ美容室でアシスタントをしているミリ、22歳です!この子も同じ職場のチカ、私と同じ年です!」


「はじめまして!チカです!」



ケンは2人に軽く会釈をしてから、後ろに居たマサキを睨み付けた。



『聞いてねぇぞ。』


怒り口調でマサキに小さく言う。



「だって、言ってねぇもん。もし言ってたら来たか?」


『…。』


「来ねぇだろ?お前…。ユイと別れてから仕事ばっかで女っ気ねぇんだし、いつまでもユイのコト引きずってねぇでさ。良い気分転換になるって!さぁ行こう!」


マサキも小さく返した。



『別に引きずってねぇ…。』


「まぁまぁ!」


そぅ言いながら、マサキは不機嫌なケンを車の運転席へと押し込んだ。