「俺は専門卒業して、すぐ美容室に就職で練習の毎日…。休みは丸1日睡眠に費やしてたし…。」
マサキは1年半という美容師としては驚異的な速さでスタイリストデビューを果たした。
俺は、それを常に間近で見てきた。
あの頃の俺はマサキと比べて、何の取り柄もない自分に焦っていた。
「お互い、仕事始めてからゆっくり休んだコトねぇじゃん?たまには温泉にでも浸かって、ゆったりするのもいいんじゃねぇかなと思って!」
そぅ言いながらマサキは鼻先を掻いた。
マサキの癖…。
これをやる時は大体いいコトを考えていない。
『変なコト考えてねぇ?』
疑う様にマサキを見つめる。
「考えてねぇって!」
『まぁ…。言われてみれば、仕事始めてからゆっくりしたコトなんてなかったな。』
嬉しそうに頷くマサキを前に話を続ける。
『お前と会うのだって、いつも仕事終わりの深夜に居酒屋っていうが定番になっちゃってたし…。何とか休み取れる様に言ってみる。』
「無理を言ってわりぃ。」
『あぁ…。』
「おばちゃん!瓶ビールと焼酎おかわり!」
マサキはニヤけながら叫んだ。
マサキの言う通り、俺達は突っ走っていたかもしれない。
それはもぅ、がむしゃらに…。
マサキはスタイリストデビューを目指して…。
俺はメイクアップアーティストとして大学の4年間という遠回りをした遅れを取り戻したくて…。
そして“あの出来事”を思い出さない様に…。
でも、それは遠回りでもなく“偶然”でもない。
ちゃんと“意味”があったのかもしれない…。
ただ、この時には未だ分からなかったんだ。
全ての出逢いや出来事には必ず“意味”があるなんて…。
なぁ…。
君と出会ったコトにも、ちゃんと“意味”があったんだよな?
マサキは1年半という美容師としては驚異的な速さでスタイリストデビューを果たした。
俺は、それを常に間近で見てきた。
あの頃の俺はマサキと比べて、何の取り柄もない自分に焦っていた。
「お互い、仕事始めてからゆっくり休んだコトねぇじゃん?たまには温泉にでも浸かって、ゆったりするのもいいんじゃねぇかなと思って!」
そぅ言いながらマサキは鼻先を掻いた。
マサキの癖…。
これをやる時は大体いいコトを考えていない。
『変なコト考えてねぇ?』
疑う様にマサキを見つめる。
「考えてねぇって!」
『まぁ…。言われてみれば、仕事始めてからゆっくりしたコトなんてなかったな。』
嬉しそうに頷くマサキを前に話を続ける。
『お前と会うのだって、いつも仕事終わりの深夜に居酒屋っていうが定番になっちゃってたし…。何とか休み取れる様に言ってみる。』
「無理を言ってわりぃ。」
『あぁ…。』
「おばちゃん!瓶ビールと焼酎おかわり!」
マサキはニヤけながら叫んだ。
マサキの言う通り、俺達は突っ走っていたかもしれない。
それはもぅ、がむしゃらに…。
マサキはスタイリストデビューを目指して…。
俺はメイクアップアーティストとして大学の4年間という遠回りをした遅れを取り戻したくて…。
そして“あの出来事”を思い出さない様に…。
でも、それは遠回りでもなく“偶然”でもない。
ちゃんと“意味”があったのかもしれない…。
ただ、この時には未だ分からなかったんだ。
全ての出逢いや出来事には必ず“意味”があるなんて…。
なぁ…。
君と出会ったコトにも、ちゃんと“意味”があったんだよな?