「前にも言っただろ…。1つの願いを叶える為には、もぅ1つの大切な何かを失う。2つの願いを同時に手に入れるコトできない…。」


『…。』


「人は失った後に気付くんだ…。その大切さに…。」




1人になるのは恐い…。



でも、好きになっちゃったんだもん…。



そんなコトで諦める様な簡単な気持ちで貴方を好きになったんじゃない。




「一時的な感情で今まで積み重ねてきたモノを捨てるほど、君もバカじゃないだろ?」


『…。』


「それに…、この前の話で俺がどんなに酷い人間か分かっただろ。だから、もぅ俺に構うな。」


『酷い人間だなんて…。そんな…。』


「大切なモノを失いたくないなら、彼氏を大切にしてやれ。」




そぅ言って再び背を向け、車に乗り込んだ。