「あれはアリサの形見なんだ…。」



いつの間にか隣にマサキが立っていた。



「ケンにとって、あれは傷口と同じ…。触れれば広がってしまう深い傷跡…。」




そぅいえば言っていた。



“アリサのポケットには鏡が入っていた”って…。




それはアリサちゃんにとって宝物だった?



だから、最後の日もポケットに入れておいたんだよね?




大切な宝物…。



でも、それが今ケン君にとって傷口になってしまったなら悲しい…。       



そんなの悲し過ぎるよ…。