さっきまでセッティングされていた撮影機具やメイク道具がアシスタントによって次々と片付けられていく。




ふとメイクボックスに目をやると光るモノを見つけた。



何だろう?



ハートの形をした小さな手鏡…?



でも、ヒビ割れてる…。



無意識に手を伸ばした瞬間だった…。



「それに触れるな!」



ケンは怒鳴る様な声で叫ぶ。



さっきまでの騒めきがウソの様に静寂が訪れる。




『すみません…。』



メイクボックスはアシスタントの手で閉じられた。