今夜は親友のマサキと会う約束をしている。



待ち合わせは駅前にある馴染みの居酒屋…。





「あら〜!いらっしゃい、ケンちゃん!久しぶりねぇ!」



居酒屋のおばちゃんの元気そうな声…。



『久しぶり。相変わらず元気だね。』



ケンは、おばちゃんの肩をポンと叩く。



「元気だけが取り柄だからねぇ!まぁくん、向こうの席に居るから!」


『ありがとう。』


「ケンちゃん!いつものでいいかい?」


『うん。』



おばちゃんは、いつも笑顔で迎えてくれる。





『遅れてわりぃ。』


「おばちゃんも、いい加減“まぁくん”は止めてほしいよな。」


恥ずかしそうにマサキが言った。



『いいんじゃねぇ?昔からずっとあの呼び方だし…。俺はもぅ慣れたけど…。』



そぅ言うとケンはタバコに火を付ける。



「はぁい!おまたせ〜!」



会話に割り込む様におばちゃんが焼酎の水割りと瓶ビールを持ってきた。



「まぁいいかぁ…。とりあえず乾杯…。」


『乾杯…。』



ケンは焼酎の入ったグラスを持ち上げ、軽く揺らす。



『そんで話って?』


「そぅそぅ!来月の下旬に連休取れたりする?」


『聞いてみないと分かんないけど、何で?』


「旅行でも行こうと思ってさ!」


『旅行か…。』