その言葉にショックを受けなかった訳じゃない。




ただ…。



貴方に深く刻まれた傷跡の方が、ずっと痛かった。




貴方が私に背を向け、心の中で見えない涙を零した時…。



私の心は悲しく弾けて、気付けば目の前に居た貴方さえ見えなくなってしまう程に沢山の涙を零していた。




涙が止んだ時には、もぅ貴方の姿は消えていた。





冬の凍える寒さと共に貴方が残していった悲し過ぎる記憶…。





それだけを私の心に刻んで…。