ガソリンスタンドの脇に寝転び、星空を眺めながら考えた。



どうすれば自分のやる気を認めてもらえるのか…。




そして3日目…。



また断られた。



もぅこんなコトで時間をムダに使いたくない。



弟子になって早くジェシカのメイクを学びたい。



そぅ思った俺は無我夢中で地面に土下座し、何度も何度も額を地面に叩きつけながら頭を下げた。



額から流れ落ちる生温い赤黒い血…。



その姿を見たジェシカは慌てた様に英語で言った。



「分かったから、もぅ止めなさい。」



その様子を中から見ていた弟子達が出てきて、俺の体を押さえ付ける。




「貴方にプライドはないの?」


『あります…。けど、今は自分の為に殺しています。』



覚えたての英語で言ってやった。



そんなコトがあり、3日目にして念願の弟子入り許可を貰えた。




最初はアシスタントという名の雑用係り。



けど、俺はそれを雑用だとは思わなかった。



今、目の前にある仕事を“これは自分のやる仕事じゃない”と思ってやっているから雑用になってしまうだけのコト…。



もちろん掃除や片付けが自分のやりたい仕事ではない。



でも、それは必ず“やりたい仕事”へと導いてくれる。



“自分のやりたいコト”が“今やってるコト”と違う場所にあったとしても、必ず今やってるコトの延長線上にある。



そぅ思っている。




アシスタントの頃は必死にジェシカの技術を見て、目で盗んだ。



その技術は素晴らしいの一言だった。



研ぎ澄まされた感性とダイナミックさの中に丁寧と素早さを兼ね備えた動き。



甘く考えていた俺はレベルの違いにショックを受けた…。




だから、必死に練習をした。



他に9人いる弟子の誰よりも…。




そんな俺をジェシカは1人前のメイクアップアーティストとして育ててくれた。