「ただいま…。」



ミリは誰も居ない部屋に向かって呟きながら玄関の電気を付けた。



ミリの家に来るとチカは決まって2人掛けのソファーに1人で座る。



「チカは紅茶いる?」



しばらく待ったが返事はない。



「チカ!」


『えっ?』


「どうせケン君のコトでも考えてたんでしょ〜!」


『どうして分かるの…?』


「だって顔に書いてあるもん!」



チカは焦って冷たい手で顔を擦った。



その光景にミリが必死で笑いを堪えている。



「そんなコトしても消えないってぇ!」


『リュウにもバレてると思う?』


「どうかねぇ…。でもさぁ…。いつまでも隠しきれないと思うよ?」


『うん…。』


「チカは自分自身でも少し気付いてるんじゃない?」


『何が…?』