鏡に映っていたのは特殊メイクで復元された瞼からマツ毛まで右目と全く同じ私の左目…。



傷を負う前の私の顔…。



そして、忘れかけていた“笑顔”の自分…。




『アイコは本当に泣き虫だな〜。』



そぅ言ってケン兄は私の頭を撫でた。



『笑顔のアイコが1番可愛いよ。』



微笑むケン兄を見て私も笑顔のままで涙を流した。



『“笑顔”よりキレイになれるメイクなんて存在しないんだよ。』




その時、初めて知った…。



一番キレイな自分になれるメイク…。



それは“笑顔”…。