長いディープキスは私を獣に変えた。彼女も私の変化を気づいたせいか、私を押し離して、「今日はここまで!」といいながら、背中を私に向いてしまった。
 私は止まれそうにもなかったが、一瞬冷静になろうと自分に言いつけた。ここで、焦ってはダメ!失敗したら、会えなくなるかも!
楠ちゃんは私の腕枕の中ですやすや寝始めた。何日連続の地震で疲れただろうね。しかし、私はどうしても眠れない。欲望を抑えることで精一杯だった。

 この時、夜が明けて、少し明るくなっていた。うっすらベッドサイドテーブルにウィスキーとワインが置いていることに気づいた。
 私は静かに楠ちゃんの頭を枕において、起き上がり、グラスにウィスキーを注いた。サントリーの『響』で結構いいお酒だった。
喉が乾いてせいで、私は大口で飲んだ。「カーーーア」思わず声を上げた。食道が焼けるような強烈な酒であった。
しかし、鼻から抜けるいい酒の匂いはなんとも心地がいい。部屋の中には暖房が効いてて、熱くて悶々な気持ちがした。
私はベランダのドアを開け、外に出た。外はまた寒いが、小鳥だちが仲良く、さえずっている。なんか気持ちがいい。私は、残ったウィスキーを飲み込んだ。
少し、ストレッチして、部屋に戻った。空腹でのんだため、正直ちょっと吐き気がした。頭も回り始めて、ベッドに倒れ込んだ。彼女はまだ熟睡している。
疲れたせいか、寝てないせいか、目が痛い。目を揉みながら、私は知らずに練ってしまった。