店に戻ったが、客が少し減った気がする。店主は二階に空き部屋があるからそこで一晩居てくださいと言われた。
 空部屋にはすでに、仕事を終わった二三人の大学生アルバイトが中でいた。居眠りする人もいるし、携帯をいじる人もいた。
暖かい部屋に座り、楠ちゃん落ち着いたように見えた。少し、話をしていたら、笑顔が浮かび、顔も赤くなり、元気に見えた。
 「部屋が明るすぎる!眩しい」と不満げに言う。
 「そうだね。明るいね。じゃ、ジャケットのなかに入る?」
私は言いながら、ジャケットを楠ちゃんの頭に被せた。楠ちゃんは安心したか、ふざけ始めた。
 手を私の脇に入れ、くすぐっている。実は、私は全然すぐたからない人であって、笑えない。逆に痛い。
 しかし、笑わないと彼女は失望すると思い、笑えざるえない。ジャケットをかぶったまま、30分ぐらいふざけて、楠ちゃんは私の肩に寄りかかったまま寝てしまった。
 楠ちゃんの膨らんだ胸が時々肩に触れ、何か落ち着きがない私だった。楠ちゃんの長いまつげ、ピンク色の唇、柔らかい顔立ちはなんと美しい風景だろうと思った。
 ローズのような甘い匂いがして、我慢するのが精一杯だった。
もう我慢できん!俺の叫びだった。そのまま、私は、頭を下げ、彼女の唇に近づく。彼女の吐息が感じられる!ついに柔らかい唇に付く。
甘い香りと甘い味が口いっぱいに広がる。私は舌で唇を舐めながら、入れようとする。その時、彼女の目はまぶたの下でぐるぐる回っていることが見て取れる。
息も荒くなって、全身は震えている。手は胸の前でクロズして、私を拒否するように見えた。
私はすぐにキスをやめた。卑猥すぎる!