品出しを終えて、またレジ打ちの仕事に戻る。
数人のお客をこなして、一息ついた頃にレジ台にカゴを置かれて、またお客がレジに並んだ事に気付く。
そして、またお客の顔を見ることなく、「いらっしゃいませ...」
いつもならお客の顔なんていちいち見ないし、覚える事もないんだけど・・・
今並んでるお客が、さっきの地味な女性だとわかった。
化粧ッ気がないけど、なんとなく可愛らしい・・・というか、綺麗というか・・・
もっと、オシャレしたらめちゃくちゃ可愛いだろうに・・・
「3点で...315円になります...」
その女性は可愛らしいキャラクターの財布から315円調度を取り出した。
どこかのブランド物の財布ではなく、小学生や幼稚園の子が持っててもいいような財布に驚いた。
「...丁度お預かりします...」
いつもなら、“袋詰めお願いします”と、各自で袋詰めさせるんだけど・・・
なんとなく・・・3点だけだし・・・
俺は3点を袋に入れて手渡した。
手渡したついでに・・・
「...さっきは何を探してたんですか?」
そんな事を口にしていた。