10m位先。
壁にもたれている子。
間違いなく由美ちゃんで・・・
最初に会った時の様に落ち着いた服装・・・
膝丈位のプリーツスカートにスタンドカラーのジャケット。
化粧もしてないし、髪型もいつもと同じように真っ黒ストレート。
幼いようにも見えるけど、老けても見える。
・・・高校生には見えない。
すると、由美ちゃんがふと俺のほうに目をやった。
「あ...智也くん!おはよう!」
そのふんわりした笑顔にドキドキする。
「おはよう!俺も早く来たけど...由美ちゃんも早くに来たんだね。」
「あ...うん。なんか、家でジッとしていられなくて...っていうか...」
由美ちゃんは俺の顔をチラっと見てすぐに目をそらせた。
「...な、なに?」
「...えっと...智也くんオシャレだなぁって思って。あたしなんかとこうやって一緒にいるの...恥ずかしくないかなぁって...」
「へ...?なんでそんな事言うの?
...そんな事言わないで...ってか行こうか!連れて行きたいところあるから!!」
俺たちはそのまますぐそばにある美容院に入った。