「うわっ!ホントだっ!!
めちゃレアじゃない?!?!」




「加納さんって、こういうトコ来るんだねぇ...」





「うん。意外な感じーー!!
加納さんっていつも素ッピンだし、なんか...ホント意外だね。」




「...うーーん。そうだね。
なんか聞いたけど、お母さんがいないから大変らしいよ?
よくスーパーで買い物してるらしいし。」




「へぇ。そうなんだ?だからなんか所帯染みてる感じするのかぁ。







その会話は店員さんの“お次でお待ち方どうぞ~”という言葉で終了した。


さっきのは由美ちゃんの悪口ではないのだろうけど、俺には良くは聞こえなくて。


由美ちゃんが学校で他の生徒にどう思われているのかが垣間見えた気がした。




チラっと由美ちゃんを見ると、頬杖をついてぼぉっと外を眺めている。


別に地味だからって悪いわけじゃないし、化粧しなくてはいけない訳じゃない。


でも・・・


今しか出来ない、今しか楽しめない事を全て我慢してるような気がした。







・・・今度のハロウィンパーティ。


俺が由美ちゃんを変えてみようか。


ある意味“仮装”になる訳だし・・。