**********




次の日も、その次の日も。


なんとなく、俺は駅前で由美ちゃんの姿を探していた。


なんとなく・・?


・・・違う。


由美ちゃんに会いたくて、由美ちゃんの姿を必死で探してるんだ。






この時間に駅前を通るはずなんだけど。


もしまた会えたらどうしよう。


偶然を装って・・・ハロウィンパーティーの話をすればいいか。







「とーーーーもや!!」





俺の後ろから洋太の声。




「...なんだ?今かえ...り...か」




振り向くと、洋太と由美ちゃんがいた。





「おう!さっき委員会終わってさぁーー。
めちゃ腹減ったなぁって思ってコンビニ入ったら、由美と偶然そこであってさ。」




「...そっか。
由美ちゃんも今帰り?」




「うん。今からサクラ迎えに行くところなの。」





・・・面白くない。


なんで洋太が偶然由美ちゃんに会うんだよ。


俺だって、ずっとこの辺で待ってたのに・・・






「あ...智也君。あの...もし良かったら、アドレスと携番交換しない?
ほら、ハロウィンのこともあるし...」




「え?あ...あぁ。そうだね。」




俺はポケットから携帯を取り出して、由美ちゃんとアドレス交換をした。




「ん?ハロウィンのことって?」




その様子を見ていた洋太が不思議そうな顔で聞いてくる。




「サクラの保育園でハロウィンパーティーがあるの。
...で、それに智也君も参加してくれる事になって。」




「へぇーーー。俺そんな話、初耳なんすけど?
なんで俺を誘ってくれないんだよーーー!!?」





・・・うわっ・・・嫌な流れになってきたかも。


このままじゃ、“洋太も行く?”ってなるパターンじゃん。




由美ちゃんは一瞬俺をチラっと見て言った。





「...っじゃぁ、洋太も行く?」








・・・ほらね。