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次の日も、その次の日も。
なんとなく、俺は駅前で由美ちゃんの姿を探していた。
なんとなく・・?
・・・違う。
由美ちゃんに会いたくて、由美ちゃんの姿を必死で探してるんだ。
この時間に駅前を通るはずなんだけど。
もしまた会えたらどうしよう。
偶然を装って・・・ハロウィンパーティーの話をすればいいか。
「とーーーーもや!!」
俺の後ろから洋太の声。
「...なんだ?今かえ...り...か」
振り向くと、洋太と由美ちゃんがいた。
「おう!さっき委員会終わってさぁーー。
めちゃ腹減ったなぁって思ってコンビニ入ったら、由美と偶然そこであってさ。」
「...そっか。
由美ちゃんも今帰り?」
「うん。今からサクラ迎えに行くところなの。」
・・・面白くない。
なんで洋太が偶然由美ちゃんに会うんだよ。
俺だって、ずっとこの辺で待ってたのに・・・
「あ...智也君。あの...もし良かったら、アドレスと携番交換しない?
ほら、ハロウィンのこともあるし...」
「え?あ...あぁ。そうだね。」
俺はポケットから携帯を取り出して、由美ちゃんとアドレス交換をした。
「ん?ハロウィンのことって?」
その様子を見ていた洋太が不思議そうな顔で聞いてくる。
「サクラの保育園でハロウィンパーティーがあるの。
...で、それに智也君も参加してくれる事になって。」
「へぇーーー。俺そんな話、初耳なんすけど?
なんで俺を誘ってくれないんだよーーー!!?」
・・・うわっ・・・嫌な流れになってきたかも。
このままじゃ、“洋太も行く?”ってなるパターンじゃん。
由美ちゃんは一瞬俺をチラっと見て言った。
「...っじゃぁ、洋太も行く?」
・・・ほらね。