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本屋とスーパーで買い物を済ませ、サクラちゃんを迎えに行く。


この間と同じようにサクラちゃんは由美ちゃんにも俺にも一日の出来事を楽しそうに話してくれた。



・・・のに。


急にショボンとした顔を見せた。






「どうしたのサクラ?」





「う...ん。あのね...」





サクラちゃんは保育園のショルダーバッグから一枚の紙切れを出す。





「...サクラのパパはパーティー来れないよね?」




俺はチラっと由美ちゃんの方を見る。


由美ちゃんはその紙に一通り目を通してから、さり気なく俺に手渡した。




その紙には、“ハロウィンパーティーのお知らせ”とあって、参加人数を描いて提出するものだった。




「サクラ...パパは来れないかもしれないけど、あたしが行くからいいよね?」




由美ちゃんはしゃがんでサクラちゃんの目線に自分の目線を合わせて言った。




「...ヤダ。だって、みんなはママもパパも来るんだもん!」




「でも...パパはお仕事あるし。
ほら、パパが来れない代わりにあたしがめちゃくちゃ可愛い衣装作ってあげるから♪」




サクラちゃんはそれでも顔を横に振った。



そんな二人のやり取りを見て、急に心が疼きだした。



・・・なんだろう。


この気持ちは・・・。



とにかく・・・俺がなんとかしたい。