ココの本屋は大きくて、フロアーが3階まである。
エスカレーターで2階に着くと、由美ちゃんが、「じゃぁ、あたしはココだから...」と。
俺は特に見たい本があるわけじゃないし、立ち読みするのは1階の週刊誌コーナー・・・
「え?!あ...俺もっ!2階に...」
「...え?」
不思議そうな、驚いたような顔をする由美ちゃん・・・
ん?・・・あ・・・。ココ・・・2階って・・・
思いっきり“女子色”・・・
「...あーーっっと...」
オロオロする俺を見て由美ちゃんはクスクス笑い出す。
「フフフッ!智也君、天然?
話に夢中になって、知らない間にエスカレーター乗っちゃったんでしょ??」
「わ、笑うなって!!偶然由美ちゃんの姿が見えたから...話に夢中になっただけだし...」
「面白いね、智也君って。じゃぁ、あたしはココのフロアーに用事だから...」
由美ちゃんはそう言って軽く手を振ろうとした。
俺は・・・
このまま由美ちゃんとバイバイするのがなんとなく淋しくて・・・
「あ...待って!!あのさ!か、買い物まだだろ??俺買い物付き合うよ!!」
そんな事を口にしていた。