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いつもの学校帰り。


今日は洋太は委員会があるとかで居残り。


・・・今日はバイトも入ってないし本屋にでも寄って帰るか。






駅前の本屋に向かう途中で信号待ち。


あれから・・・洋太と由美ちゃんの家に行ってから1週間が経っていた。


この1週間。


無意識に、この間会ったこの場所で由美ちゃんを探してしまっていた。


相変わらず、学校帰りに買い物して、サクラちゃんを迎えに行ってるんかな。


もうすぐテスト週間だろうし、勉強もしなくちゃいけないだろう。








信号が変わり、横断歩道を渡っている時、目の前の本屋に入っていく由美ちゃんの姿を見つけた。





「ゆ、由美ちゃんっ!!」





この間の洋太にも負けないくらいの大きな声でそう叫んだ。





パッと振り返った由美ちゃんは、この間と同じように恥ずかしそうに笑う。


まわりの人がジロジロと俺を見ていることに気付いて、俺も少し苦笑い。






「洋太ともだけど、智也君も声がデカすぎ!!」





「わりぃ・・・姿が見えたからつい...」





やっぱり由美ちゃんは、今時の女子高生と違って化粧っ気もなく、飾りっ気もない。





「...本屋に用事あったの?」





「あ、うん。ちょっと探したい本があって...智也君は?」





「あぁ...俺はただの暇つぶし的な...」





「そっかぁ。今日は洋太はいないんだねー。」




そんな話をしながら俺たちは本屋に入って行った。