**********
由美ちゃんの家にお邪魔して・・・の帰り道。
洋太とも別れて、俺は一人で駅に向かっていた。
由美ちゃんの家は綺麗に片付けられていて、リビングにはサクラちゃんが描いた絵が飾ってあった。
そこだけ見れば幸せそうな家庭・・・
俺はさっきの由美ちゃんの手の感触を思い出した。
高校生だぜ?
なんで・・・?
なんであんなに手が荒れてるんだよ・・・
きっと、オシャレもたくさんしたいだろう・・・
友達と遊びにも行きたいだろう・・・
洋太によると、家事、育児、勉強・・・ばかりで自分の時間なんてないに等しいらしい。
「...苦労してるんだな...」
このとき俺はまだ由美ちゃんに同情の念しかなかった。