…ごめんね。

弱虫な私で、ごめんね、大和。


でも……強く、なりたいんだ。


「…ごめん。でも私、大和に嘘つかせたままにしたくない。…お願い」

うまく、言いたいことも言えない。

馬鹿で弱虫な私だけど、強く想うことはあるの。


「……大和のこと、大切なんだよ」


ぽろぽろと、涙が落ちる。

大和は少しの間黙って、そして「…ホント勘弁して」と言った。

目を見開いて顔を上げると、大和は眉を寄せて私をみていた。


「…僕、もう色葉を友達として見れないんだよ。わかってるの?」


苦しそうな目に、ぎゅううと胸が締め付けられる。

私は静かに「うん」と言った。


「…私も、本当のこと言うから。あのときの…気持ちも。ちゃんと、言うから」


彼の、見開かれた目を見て言う。

握った彼の手から、手を離す。

そして、大和はその手で、私の涙に濡れた頬に触れた。