少し子供っぽくて得意げな純くんの笑顔は、眩しくって直視できない。

けど、目をそらしたくもない。

できれば、ずっと見ていたくって。

「…うん!」

私は人混みに紛れながら、彼の耳に届くように、元気良く返事をした。







「お、焼きそばがあるー」


純くんは美味しそうな匂いのする屋台を指差して、「食べたい」と連呼した。


「…お昼ご飯、食べたばっかだよ?」

ふたりでフードをかぶって歩く姿は、ちょっと変なカップルかもしれない。

…いや、相手が私じゃ、釣り合わなくてカップルには見えないかもしれないけど。


「えー、食べたいもんは食べたいんだって」

育ち盛りですから、と隣で純くんが笑う。

私は「そうだね」と笑いながら、心のなかはドタドタと騒がしかった。