……はぁ。
筆を持って、ため息をつく。
すると、突然肩に手が置かれた。
「ひゃっ!?」
「やっほ、色葉ー。あ、やっぱ下手」
私の塗った部分を見て、下手下手言ってくる。
…この、声は!
振り返ると、やっぱりドS王子で。
い、いつの間に背後に!?
「さ、さすがドS…!なんて恐ろしい!」
「今なんつった、色葉ちゃん?」
頬をつねられ、見ると怖い笑顔の王子様。
「ごめんなひゃい…純さんゆるひて」
「よーし」
…うう。
いきなり声かけるなんて、反則だと思いますぅー。
心のなかで非難しつつ、嬉しさでにやけそうになる。
そろそろ、頬の筋肉をコントロールする技術が必要かもしれない。