「松本さん、でしょ」



噂はとうに広まっているのだと、私はこのときようやく知った。







べちゃ。


「…………あ」

青の絵の具が、白い画用紙に飛び散った。

私は思わず叫ぶ。


「わー!!ごめん大和!!」


ポケットからティッシュを取り出して、なるべく広がらないように拭き取る。