「松本さん、でしょ」 噂はとうに広まっているのだと、私はこのときようやく知った。 * べちゃ。 「…………あ」 青の絵の具が、白い画用紙に飛び散った。 私は思わず叫ぶ。 「わー!!ごめん大和!!」 ポケットからティッシュを取り出して、なるべく広がらないように拭き取る。