「離して、って、言えてませんけど」

「ひゃなせー!」

心臓が強く鳴っているのを感じながら睨むと、純くんは笑いながら手を離してくれる。


「俺もたのしーよ。色葉と話すの」


…極上スマイル、いただきましたぁ。

またもやニヤニヤしちゃいそうになって、変な顔になる。


「バザー委員、がんばろーね」


純くんに笑顔でそう言われて、私は上ずった声で返事をした。

目の中がキラキラして、耳の奥で純くんの声がこだまする。

再び机ベッドに寄りかかった純くんに、「おやすみ」と声をかけた。