そりゃ、松田さんはカッコいいよ?
あたしだって、最初見たときびっくりしたくらいだもん。
でも、今、目の前にあたしもいるじゃん!!
なのに、松田さんにだけって……。
「紗雪ちゃんはどうする?」
松田さんがあたしに話しかけたことで、売り子さんたちがやっと“あぁ、いたの”って視線をあたしに向ける。
そんなおまけみたいな視線を向けなくても……。
「イチゴとチョコでいい?」
「あっ、はい!」
イチゴとチョコはあたしが好きな組み合わせだ。
それに松田さんもイチゴは好きだって、前に言っていた。
「ありがとうございましたー」
売り子さんたちは松田さんにお礼を言って立ち去ると思ったけど……。
「中庭ではクッキーとかも売っているので遊びに来てください!」
しっかり勧誘までしていって、あたしたちの前から立ち去った。
売り子さんたちは、まるで嵐のような人たちだった……。