二人でまず、中庭で開かれている屋台を回る。

たこ焼き、豚汁、焼きそばなどを買ってきて、カフェテリアで食べることにした。

飲み物にはタピオカミルクティーだ。

松田さんはコーヒー。

コーヒーが飲めないとわかってから、松田さんはミルクティーやジュースなどあたしが飲めるものをちょくちょく持ってきてくれるようになった。


「いただきます」


今日買って貰ったものは、全部松田さんのお財布からだった。

松田さん曰く“女の子は甘えていなさい――― !!”だそうだ。

少しくらいならお姉ちゃんからお小遣いを貰っているから大丈夫なのにな……。


二人で向かい合って食べ始める。


「紗雪ちゃんたちはなにを出しているの?」


「たこ焼き屋さんです」


「もしかして、さっき買ったとこ?」


「はい、部員は少し安く買えるんです!」


松田さんが“たこ焼き食べたいなー”と言ったので、買いに行った。

仲の良い先輩がいなかったせいで、特になにも言われることなく買うことができた。

やっぱり知っている人がいると、恥ずかしさが大きい。