「そうだ!!」


松田さんがふと思い出したように言う。


「紗雪ちゃんはコーヒー以外に嫌いな物はある?」


嫌いなもの……。

あたしはそんなに嫌いなものは多くないと思う。


「コーヒーくらいです」


「苦い食べ物はいい?」


「んー、そんなに好きでは無いですけど…… 食べられない訳じゃないので、大丈夫です」


「玉ねぎは?」


「火が通っていれば……」


それからなぜか松田さんに質問責めになった。

嫌いな食べ物が最初聞かれたけど…… どんどん、趣味、学校の専攻など。

少しだけお見合いみたいだった。


こんなに松田さんに質問されたんだ。

次はあたしが聞いてもいいよね?


「松田さんは嫌いな食べ物とか無いんですか?」


「ん、俺? 俺は無いよ、だから、なんでも大丈夫」


「甘いものって、そんなに食べませんよね?」 


「嫌いな訳じゃないよ。 疲れたらそれなりに食べたくもなるし、買って食べるよ。 でも、紗雪ちゃんと一緒のときは甘い物を食べる紗雪ちゃんがかわいいから紗雪ちゃんに食べてもらいたくなる」