たまに、チラリと松田さんを見上げると―――。


「…… !!」


松田さんと目が合うときがある。


そんなときは、松田さんがあたしに微笑みかけてくれて…… あたしは、急いで視線をそらす。


こんなことをずっと、繰り返している。


「紗雪ー、冷蔵庫からもう1本持ってきてー」


「もう、ダメー。 今日は飲み過ぎー」


「えー、いいじゃーん。 紗雪ー」


「ダーメッッ」


もうっ、お姉ちゃんの飲み過ぎなんだから。

こんなに飲んだら明日、起きれなくなるよ?


「ほら、お姉ちゃん立って!!」


“えー、やだー”なんて言いながらも、お姉ちゃんは重い腰を上げてベットに移動する。


ベットに寝かせたお姉ちゃんはまだ何か言っていたよう思うけど、電気を消してドアを閉めて知らないフリを決め込んだ。


「松田さん?」


「美春先輩は? もう寝た?」


「はい、ベットに寝かせてきましたのでもう寝ると思います」