**side新見**


「剣?」

驚いた

剣が好きだという女がいたなんて


「小さいころから兄上に教えて貰っていたんです……」



好きな話をしているはずなのに、なぜかくらいかおをしている



「そんな顔で言われても、好きにはみえないな」



だから、そんな顔するな




俺は、風珱ちゃんの頭を優しく撫でた


指の間から、スルスルと抜ける綺麗な髮


風珱ちゃんは、俺の手を拒むことなくそのままに




コクッ


コクッ



と、寝そうになっては起きてを繰り返したすえ……



「おっと!!……危ない」


後ろに倒れそうになったのを、なんとか支えた




「すぅ……」



すっかり眠ってしまっている



髪にそっと触れると


「うぅ……」


くすぐったそうに声を漏らす



一見、儚く、今にも消えてしまいそうに見えて、実は強い心を持っている



表情が豊かで、何事にも関心をもって、でも、秘密を心にかくしていて



………─────美しい




自分の腕の中で眠っている風珱ちゃんに、思わず笑みがこぼれた



「絶対手にいれて見せる」


その言葉を合図に、自らも眠りに落ちた