錦さんの部屋について、只今二人で、他愛もない話をしながらお茶を飲んでいる

「風珱ちゃんは、好きな食べ物とかある?」



「はい!えぇと……お団子に、餡蜜に、お饅頭に……」



それを聞いて、錦さんは可笑しそうに笑った


「はははっ……全部甘味じゃないか」


「あ……本当だ」


確かに、お饅頭もお団子も餡蜜も甘味だ


私が一人で感心していると、不意に


ポン


と、錦さんが私の頭に手を乗せた


その動作があまりにも自然で、すこしドキっとした


「風珱ちゃんは、なんか得意な事とかある?」



得意な事……というか、



「お琴と、茶道と華道はたしなめていました……というか、強制?だったので、あんまり好きじゃないです……でも」


「でも?」



「でも、剣は大好きです」