本当は、 那李は、 お父さんが好きでしょう? 嫌いだったら、わざわざこっちから会いに行かないもん。 「…ん?」 歩くのをやめて、 後ろを振り向いた。 「那李は、あなたが好きなんです。反抗したって、何したって…、あなたは那李のお父さんだから…。 那李のお父さんはあなただけですよね……。 あたしなんかがなに言ってるんだ、って、今だけは思わないで。