「どどどどどど?」

どうしたと聞きたかったのだが、舌がもつれて言葉にならなかった。

なんなんだ!?

なんでいきなりこんな展開なんだ!?

頭がパニックをおこす。

まさか夢か?

白昼夢なのか?

森口にバレないように、彼女の背後でこっそりと自分の手の甲をつねる。

爪をたてすぎた。

半端なく痛かった。

手加減すべきだった。

後悔した。

でもそれではっきりした。
これは夢ではない。

だったらなんなんだ?

胸に埋もれていた森口の顔がゆっくり上がる。

「片桐くん」

森口の赤い唇が俺の名前を呼ぶ。

グイッと首に回された腕に力が入った。

身体が前に倒れる。

そのまま

スローモーションのように森口の顔が近づいてきた。

甘い吐息が唇にかかる。

………そして