トントンと肩を叩かれた。


誰だか分からない。でもこんな顔で振り返れない。



またトントンと叩かれる。

でも私は振り返らずにいた。





すると…






「俺、もう帰るから」





忘れられない声が耳に響いた。



こんな優しい声、振り返らなくても分かるよ。

翔才だって事。



私はまた

優しく涙を流した。








やっと泣き止んで落ち着いた頃だった。

「ちょっとあんた来なさい」


顧問の丸沢にそう言われ、腕を引っ張られた。

「え、何?何?」

「何じゃないんだよおー!あんたはとんでもない事しでかしたんだ!!」

めっちゃ怒鳴られて人気の無い所まで来させられた。


何?私、何かした?




「あんた、今日他中の子にメアド聞いたね?」

「は?」

え?なに!?

「は?じゃないんだよおー!!山岡の先生に迷惑ですってさっき怒られたんだよー!!」

「知らないし」

「よー、前にも言ったでしょうに!!もうあんた来させないよ!」

「何で私何ですか!?違うつってんじゃん!」