あたしは初めて人と付き合って、たくさん幸せをもらった。

悲しいことも、傷ついたこともあったけど、篤志に出逢えなかったら、英志くんにも出逢ってなかったと思う。



最低だってわかってる。

だけど、もう我慢しない。

後悔したくないから。




「篤志はあたしのこと好きだった?」



抱きしめる腕が思ったより弱くて、それが切ない。



「ああ」



「じゃあ、許す」



「え?」



「あの日、あたしに嘘ついてクラブに女の子といたでしょ」


「それは・・・」