こんな気持ちのまま、全てをうやむやにしていいの?


だけど、やり直せるかもしれない。



二つの矛盾した思いが混ざり合って、心の中はぐちゃぐちゃだった。


篤志の手を振りほどけないあたしは、結局自分が傷つくのがこわいんだ。





もう何も考えないようにしよう。


そう思ったとき、篤志の足がピタリと止まった。



夕焼けのオレンジに照らされた一つの影。

アッシュグレーのキレイな髪とピアス。

そこにいたのは、紛れもなく英志くんだった。