「今日、うちに泊まらない?」



「え・・・」


成り行きで篤志の家に泊まることはあったが、誘われたのはこれが初めてだった。


あたしは動揺が隠せなかった。
望んでたはずなのに。


「なんか用事である?」


「いや、ないよ」


篤志の瞳はあたしを試しているようだ。


「・・・泊まりたい」


「じゃあ、買い物でもしながらいこっか」



そう言うと、篤志はあたしの手をとり大学の正門へと足を進めた。