亜季が屋上を出ていき、俺も教室に向かおうとしたそのとき、

ケータイが震えた。


まあ、大体誰なのかは予想がつく。



「もしもし、」


なぜ、昨日は電話してこなかったのだろう。



「お前…昨日のこと、どういうつもりだ」


「どうって?」


案外、俺も兄貴も冷静だった。


「千雪と、何してたんだ」


「兄貴こそ、昨日クラブで誰といたの?実家に帰ってたんじゃねえの」


「それとこれとは関係ないだろ」